NIWA MAGAZINE

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色を奏でる vol.2 文/柳平 淳哉

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今から10年前、栃木のスターネットと出会った。
主宰の今は亡き馬場さんは、いろのみの生みの親だ。
当時僕らは東京に住んでいた。
 
自然の感覚を音で模索するテーマで音楽を作っている僕達に、都会で自然を想像しながら音を作るよりも、自然の中で自然と生んでみたらどうだろうと、スターネットにある古民家を改装したギャラリーRECODEにピアノを置いてくれた。森の中に佇み、虫の声に包まれるあの場所に初めて行った時に感じた、言葉に言い表せない静かな感動は今でも忘れない。
 
すぐにでも音楽を作りたいと思った。
しかし馬場さんは、「まだ心が忙しく、疲れているから、この場所に気持ちをチューニングしてから始めよう」と言って、土地の力を感じる美味しい食事を用意してくれたり、日々気付かなかった大切なものに気付かせてもらった。
 
馬場さんのお話を聞いているだけで、鳥肌が立った。
そうやって、アルバムRECODEが生まれた。
あの時の体験が、僕らの音楽や生活の原点だと思う。
 
昨年長野に帰ってきて初めて迎える冬は想像以上に厳しかった。手がかじかんで、動かないので、シンプルな曲ができた。暖かな春が待ち遠しく、春を期待して、芽吹くイメージや、嬉しそうに飛ぶ蝶々の曲などが頭の中でできた。
 
これからそんな風景を見ながら、ピアノでスケッチしていきたい。
楽しみな季節が始まる。
 

 

 

柳平 淳哉    やなぎだいら じゅんや

 

「季節のさまざまな色の実を鳴らす」ことをコンセプトに活動するユニット”いろのみ”のピアニスト。京都法然院、鳴子温泉郷など、名所旧跡での異色のライブパフォーマンスや、「デザイン物産展ニッポン」の会場BGM、WWFのキャンペーンサイト「北の果ての物語」のテーマ曲、Mozilla Firefox 4 プレリリースキャンペーン「Virtual Park Tumucumaque (トゥムクマケ)」や、テレビ番組等のBGMを担当。「ナガオカケンメイD勉強の会」にライブゲストとして出演や、SWITCH企画「読書のための音楽」にて写真家 小林紀晴と共演する。 4thアルバム「ubusuna」がタワーレコードのNewAgeランキングでチャート1位を獲得。様々なアーティストを迎え、即興のコラボレーションを記録した7thアルバム「虹」をシンガポールのKitchen. Labelよりリリース。いろのみ音楽教室を主宰し、現在60名の生徒を教え、即興演奏を用いたオリジナルレッスンは、子供から大人まで定評がある。各音大、音高に合格者を輩出し、コンクールの受賞歴も多数。2015年には、早稲田大学基幹理工学部表現工学科(大学院)や、東京工芸大学で、特別講義をする。

 

いろのみ  ironomi
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