NIWA MAGAZINE

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「12ヶ月の星ごよみ」vol.3 大寒 文/若杜 知美

20160121

 

vol.3  大寒    2016/1/21-2016/2/18

 

厳しい寒さを文字通りものがたる「大寒」の日

1月21日に太陽はみずがめ座へと

歩を進めていきます

 

蕗の薹の花が雪の合間に顔をのぞかせると

頑なな寒さの中にも次の季節がすぐそばにきていることを

教えてくれる頃

春を連れてくる東風(こち)を待って咲く梅の

またの呼び名は“風待草”

 

花が咲く前の植物には

幹から枝の先にいたるまで秘められた精気が宿り

内側全体で色を蓄えているため

染色の世界では植物の色を取り出すのは

花が開花する前のほんのわずかの時期に限られるそうです

閉じられた沈黙の時間のように感じたとしても

草木たちとおなじように

わたしたちの内側では密やかな準備がおこなわれています

 

この期間に訪れる「節分」と「立春」は

旧暦では大晦日とお正月

 

昨年の末から新たな年へと時間を跨いでいく中で

今までとはなにか違った展開へとシフトしていくような動きを

内側からも外側からも感じている方もいるかもしれません

新たなる年が明けたとはいえ

ゆっくりと今までを振り返り調整をしながら動いていくような

年のはじまりでしたが

大きな変容の流れの中で

自分自身が経験してきたことから腑に落ちるような感覚を得ながら

今からの自分自身のあり方を表現していくタイミングです

 

感情が交わる繋がりの中で人は時に

その中に棲む鬼を垣間見ることがあります

血の通う絡み合いの中でこそ見えてくる潔い新たな視点が

誰しも持ち得る自分自身の鬼と別つ手立てになるでしょう

そして立春を迎える頃には解放されたような質感が広がり

着実な歩みへと踏み出していけそうです

 

「初午」を過ぎたあと

今年の2月8日の新月はちょうど“人の営み”がはじまる「事始め」

この一ヶ月で調整されたココロを新たにして

今年目指すところへといよいよ実行しはじめる機会となりそうです

 

音なき音を感じるような繊細で静謐な時間の中で

すこしずつ春の兆しは見え始めていますが

自然界の中で起きている日々の変化は

“今日”という一日を真新しい気持ちで迎えてこそ気づくような

微細な移り変わり

 

やわらかな感情や純粋な思いを

きちんと取り扱っていくための冷静な知性を

この沈静化された時間の中で養い使っていくこと

今まで積み上げてきたことを

鳥が高い空から見渡すように公平に見ていくこと

 

そして澄み切った空気の中で鶯の初音を耳にする頃

いよいよ春の光が輝きはじめます

自分自身としっかりと手をつなぎ

自分の内側に訪れる春の音や香りに

耳を澄ませていきましょう

 

 

若杜 知美

ホロスコープセラピスト/ヨガ講師

京都在住。

子供の頃から星の世界に興味を持ち独学で学び、

ヨガやアーユルヴェーダの講師として、星のリズムを自分自身の生活に

取り入れながら、自然の流れに寄り添う暮らしをテーマにしている。

「星とワインのおはなし会」「ムーンサイクルヨガ」など

天体のリズムを意識し、心や体が自然と調和するワークショップを開催。