NIWA MAGAZINE

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「12ヶ月の星ごよみ」vol.6 穀雨 文/若杜 知美

20160420

 

 

vol.6   穀雨 2016/4/20-2016/5/19

 

百穀を潤す春の雨

さまざまな生命を育み

豊かさをもたらしていく頃

 

4月20日の「穀雨」は星の世界では太陽がおうし座へと

歩を進めていきます

 

勢いのよいはじまりの季節から色彩を帯びた光が増し

まだ冷たく感じる春の風の緊張がやわらぐと

どっしりと落ち着きのある時間へと移行します

 

太陽がおうし座へと移動するすこし前から

熱された思いが熟成していくような時間がはじまり

4月22日にはさそり座で満月が照らされます

 

滞っていたものが一度おもてに現れ流れ出ることで

本来ある姿へとすっきり落ち着いていくような

すこしゆっくりとしたペースでモノゴトが進んでいきます

 

そして曲水の宴が催される4月29日頃

本当に大切なモノや自分の価値観を

根っこからじっくりと見つめなおしてみるような流れを

感じるかもしれません

 

やがて華麗な牡丹の花がほどけるように咲きはじめ

茶摘みがはじまる八十八夜

穏やかにどっしりと腰を据えて

現実的に自分の生き方を整えていきます

 

空の青を映すように杜若が広がり

清らかに和する月へと時間は進みます

風が光り輝く緑に薫り

清々しさを眩しい光とともに運んでくれます

 

夏が立ち

豊穣や復活の象徴である蛙がハーモニーを奏ではじめると

5月7日に新月を迎えます

 

迷いや矛盾の中で深く潜り抜けていくように世界を見つめてみる

そこにたちのぼるひとつひとつの思いにただ耳を傾けることで

ほどける思いや慈しみがあらわれてくるかもしれません

 

どんなあらわれも包み込むようなひろがりの光の中で

藤の花が波のようにやさしくそよぎ

春から夏へと移ろいゆきます

 

平安の頃は「祭」といえば葵祭

今も脈々とつづく絵巻のような優雅な行列は

欽明天皇の大いなる自然への祈りを起源としています

 

ハートのカタチをした二つの葵の葉っぱが太陽に向かうように

目の前の人と心を合わせ

どのような状況下においても本質を見据えながら

いきいきと生ずる命に向き合っていく時間

 

自分にとってもっとも信頼できる基準は

ほかでもない自分自身の感覚

カラダという実体をもって感じる五感を通して

穏やかに心地よく世界を広げていくこと

そして自分をおろそかにせず

すでに内側に組み込まれている価値基準を大切にすることが

安定をもたらし視界を豊かにします

 

必要なところに必要な手が届いていくような

あたたかでやすらぐ流れへと導かれますように

次回は「小満」の頃、お会いしましょう

 
 
 

若杜 知美

ホロスコープセラピスト/ヨガ講師

京都在住。

子供の頃から星の世界に興味を持ち独学で学び、

ヨガやアーユルヴェーダの講師として、星のリズムを自分自身の生活に

取り入れながら、自然の流れに寄り添う暮らしをテーマにしている。

「星とワインのおはなし会」「ムーンサイクルヨガ」など

天体のリズムを意識し、心や体が自然と調和するワークショップを開催。
 
 
photo
大田神社の杜若