「12ヶ月の星ごよみ」vol.7 小満 文/若杜 知美
vol.6 小満 2016/5/20-2016/6/20
すべてのものが躍動し
命が満ちあふれる
春から夏へのグラデーション
5月20日の「小満」に
太陽がふたご座へと軽やかに足取りを進めます
5月22日は鞍馬寺・五月満月(ウエサク)祭
天と地に光の道をつくる満月の輝きに照らされながら
すっきりとした風が吹きテンポが変わります
そしてじっくりと味わうようなひと月の間に見直されたこと
特に自分の内にあるこだわりや
なにかを「持つ」ということに対して
今までと意識が変化したかもしれません
自分のカラダすら“借り物”だといわれます
自分のものだと思っていてもいつかはお返しするもの
そう思うとすべては愛おしく謙虚になる
その感覚にきづくまでには
もしかしたら「ある」ということがあたりまえすぎて
苦しんだり考えさせられたりするのかもしれませんが
味わうからこそ見えてきた本当に望む理想や
これから真剣に情熱を傾けていきたいことが
爽やかで軽快な動きとともに
はっきりとココロに浮かびあがるかもしれません
5月も終わりに近づく頃
布を美しく染めあげる紅花が咲き誇り
まるでココロの奥深くまでも紅く染め重ねていくように
思いが溢れ満ちていきます
でもその力を実際に扱いはじめるのはまだ先のこと
今はただ潜ったり巡ったりを繰り返しながら
清らかな手でその色に触れる準備をしています
麦の穂が実り
ビールや麦茶がおいしく感じられる衣替えの季節
6月5日に美しく輝くヴィーナスと重なりながら
月は光を落としていきます
自分の内側に棲むなにか似たものを見つけたとき
人は自然とそこに惹かれ
いつしかそれが線になり物語が生まれます
やわらかなココロと豊かな発想でモノゴトを見たとき
心地よい風が吹きはじめます
6月10日頃には伏見稲荷などで田植え祭がおこなわれ
蛍が水辺でほのかな光をやさしく灯します
飛び交うリズムのように人との関わりも弾み
自分がやるべきことへとスムーズに流れます
そして青い梅の実が黄色く色づく頃に
空からやさしく田んぼを潤す雨
その雨を受け止める器のように
青い宝石のような紫陽花が輝きます
まわりへと溢れる慈しみの気持ちが
自分自身もやさしく包み込みます
そして6月20日に再びいて座で月が満ちきります
ひと月前ぐらいに思い浮かんだ高い理想へと
大きく動きはじめる節目となりそうです
人との触れ合いやココロ揺さぶるものが指し示す場所へと
爽やかな風の中で散歩をするように
そして静かな雨の日は
時折まぶたを下ろし自分に問いかけてみる
すでに備わる知性に耳を澄ませ
新たなページをそっとめくりましょう
若杜 知美
ホロスコープセラピスト/ヨガ講師
京都在住。
子供の頃から星の世界に興味を持ち独学で学び、
ヨガやアーユルヴェーダの講師として、星のリズムを自分自身の生活に
取り入れながら、自然の流れに寄り添う暮らしをテーマにしている。
「星とワインのおはなし会」「ムーンサイクルヨガ」など
天体のリズムを意識し、心や体が自然と調和するワークショップを開催。
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雨に咲く天龍寺の額紫陽花