NIWA MAGAZINE

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「12ヶ月の星ごよみ」vol.8 夏至 文/若杜 知美

20160621

vol.8  「夏至」2016/6/21 – 2016/7/21

潤いが大気に溢れんとする季節を迎え

大きな節目が波のように押し寄せます

 

6月21日は「夏至」

お日さまが一年で一番長い時間顔を見せてくれるこの日に

太陽がかに座へと歩を進める一ヶ月がはじまります

ちょうど前日は満月で

満ちきったところからはじまるなにかを感じ

空気感がはっきりと変わっていきます

 

特に前半は水=感情の時間

梅雨空がまだまだ続く中で甘い香りを放つ梔子の花

色を染めるその実は熟しても割れないことから

「口無し」とつけられたそう

内に秘めた思いが溢れるかのように発するその美しい色は

6月から7月前半にかけてのわたしたちの内側を揺らす想いの世界を

映し出しているようです

 

大きな茅の輪が京都のあちこちにあらわれる「夏越の祓」

この半年を清める神事を終えると

深く想いをめぐらせてきたことが広がります

水澄ましが美しい水に輪っかを描き重なり行くように隔たりを越え

大切な人たちとの交わりの中で深い愛情やなにかを守ろうとする力が

やわらかく強まっていくでしょう

 

爽やかな半夏生の花が咲くと風待月

京都では祇園祭が夏を告げ

日を追うごとに街が美術館のように彩りを増していきます

厳しい夏を乗り切るための丸一ヶ月の神事が

しめやかに執り行なわれていきます

 

4日にはかに座で新月を迎え

内側の水を清らかに入れ替えながら

シンプルな装いで暑さを受けいれる準備をはじめます

ここから七夕の小暑を過ぎると

水の時間から火の時間へとすこしずつ移行していきます

 

泥水から生じる清らかで神秘的な蓮は

夜の静寂を打ち破るように美しい花を咲かせます

溶け合うような安らぎの時間の中で自分自身を見出し

そこから抜け出るようにあらわれだすもの

輝きを増しながらはっきりとした自分らしさが

立ち上がります

 

梅雨が明けて爽やかな動きの中で

祇園祭は山鉾巡行のピークへ

夏が極まりはじめるのを感じる頃

 

20日にやぎ座で満ちる月

華やかな時間帯へと導く光は

それまでに音なき音に耳を澄ませるかのように

ゆらめきの中で整えてきた時間があるからこそ

より強く輝きを放つのかもしれません

 

自分という美しい器に汲まれた豊かな水が

時にたとえ澱んだり溢れたりしても

怖がる必要はないのだということ

それを眺めてみたり

受けとめてみたり

そして流してみたり

 

そんな循環の中で

今の自分にとってもっとも相応しい器が

できあがっているでしょう

気まぐれな空模様の一ヶ月

夏を和やかに越していく先人の知恵を授かりながら

どうぞ健やかにお過ごしください

 

次回は「大暑」

しし座の時間にお会いしましょう

若杜 知美

ホロスコープセラピスト/ヨガ講師

京都在住。

子供の頃から星の世界に興味を持ち独学で学び、

ヨガやアーユルヴェーダの講師として、星のリズムを自分自身の生活に

取り入れながら、自然の流れに寄り添う暮らしをテーマにしている。

「星とワインのおはなし会」「ムーンサイクルヨガ」など

天体のリズムを意識し、心や体が自然と調和するワークショップを開催。

 

photo 祇園囃子を奏でる南観音山