NIWA MAGAZINE

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ワインと星と12ヶ月 vol.8「融合」

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2017/10/23-2017/11/21

 

日脚が短くなり

藍染を一枚ずつ重ねていくように色彩が深まりゆく

ブランケットをかけて

すこしもの思いに耽たくなるような

落ち着いた質感の季節へ

 

10月23日は「霜降」

太陽がさそり座へと歩みを進める

 

葡萄は収穫されたあと

発酵のプロセスへ

宝石のような粒は時間とともに形を変えて

“ワイン”という魅惑的な液体へと変容する

 

このメタモルフォーゼの現象は

まさにさそり座の季節をあらわし

そして2019年11月までこの地に奏でる

壮大な音楽のテーマでもある

 

寄せて離れて

ブランコのように

振り幅を少しずつ狭めながら

心の奥に赤く美しい光が

灯される

 

この季節の雨が木々を赤く

染めていくように

 

内面の世界へと

静かに心を向けていきながら

剥がれ落ちていくものもあるけれど

その奥にある大切ものだけが

形を変えて

受け渡されていく

仄暗く見えないかもしれないけれど

そこに確かにある真実

 

11月4日は

おうし座で満ちる月

本当に欲するものを素直に味わい

感じるままに世界を広げながら

この場所で落ち着いていく

自分にとって本当に価値あるものを知ること

それは自分自身への信頼となり

命に息が吹き込まれる

 

立冬を迎えて冷え込む大地に

山茶花が花びらでやさしく色づける

 

未来への扉を強くノックするかのように

いままでとは違った発想で

なにかに挑む想いが立ち上がる

 

色彩の明度がすこしずつ落ちていき

自然と目を瞑り

内なる世界を探究するほどに

自分自身と本音で付き合っていく道筋へと

足取りは進んでいく

 

11月18日の新月は

来年の秋までの一年への

具体的な一歩を踏み出していく

自分の本質へと触れていくために

 

それは未知の領域への旅のはじまりでもあり

もうすこし先の

時代の節目へとつながるはじまりでもある

 

今までのエネルギーを

放出するかのように染め上げる

黄金の錦織のような山々と同じ時間を

ひとりひとりが生きはじめる

 

遠い過去から引き継がれてきたものを

繋げていくために

 

大切なものと一体になるほどに

その世界に入り込むからこそ起きる

融合と変容の世界の入り口に

わたしたちは立っている

 

 

+recommended wine+

 

domaine tetta

Assemblage 2016

 

岡山県哲多町。シンプルな佇まいのワイナリー、domaine tetta。

見た目の美しさだけでなく、この土地特有の石灰岩採掘トンネルを活用し、

タンクスペースや熟成庫は地下に設置するなどワインのための独自の環境を

整えるなどさまざまな工夫がなされています。

従来のワイナリーとは違った視点で想いを形にしてきた高橋さん。

石灰質土壌というこの土地が持つポテンシャルを生かし、あらゆるチャレンジを

しながら、出逢う人との深い繋がりと信頼を築き、ワインを造ることを通して

この地の可能性を探究されています。

ワイナリーができてからはじめてのヴィンテージのこのワインは天然酵母発酵で

メルローとカベルネ・フランをアサンブラージュ。

二つの品種がきれいに融合し、滑らかでありながらもじんわりと深く味わえる

やさしい赤。秋の夜長、気がつくと一本飲み終わってしまいそうです。

 

 

若杜 知美

ホロスコープセラピスト/ヨガ講師/ソムリエ

 

京都在住。

天体の流れを読むことや、ヨガやアーユルヴェーダを実践し教えることで、ひとりひとりが自然の一部であることを感じ、自分らしく生きる智慧を伝えている。また、京都坊主BARにソムリエとして従事し、わたしたちが暮らす日本の大地と自然の巡りによって育まれるワインを、造り手たちの想いとともに、日々出逢う人たちと分かち合うことを喜びとしている。

 

京都坊主BAR

http://bozubar.tumblr.com