NIWA MAGAZINE

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五感で捉える vol.2 文/小川敦子 イラスト/西山ゆか

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Food is beautiful
All hand all small
Life in nature

 

June Taylor

「而今禾の本」 米田恭子著(中央公論新社)より

 
サンフランシスコでオーガニックのジャムをつくるJune Taylorの言葉。はじめて目にしたとき、私の中には「美味しい」という言葉が浮かび上がった。

 

自然という営みの中で

すべてを手により、そして、小さな輪の中で。

そうしてこしらえた「食」こそ、美しい。

 

この言葉の意味はとても深く、「自給自足」「地産地消」という言葉だけでは、その真意を言い表すことはできない。人としての原点の姿がここに現れているように、感じられるのである。「手仕事」は暮らしの基本であり、またその暮らしは、人の手、そして、誰かを思いやる心で成り立っている。その最たるものが、毎日の「食事」。自然と向き合いながら、こしらえる「素材」。その素材を活かし、家族のため、大切な人のためにこしらえた「食事」こそが、「手仕事」の原点だと思うのだ。

 

June Taylorの言葉を伝えたとき、イラストを描いてくれた西山ゆかさんから湧いたイメージは一枚の皿だった。

 

「味わうというのは、私の中で、つないできた命に感動し、感情が動くという解釈をしています。命を育み、そこに広がる世界。器の中に宇宙があるというように思います。」

 

一枚の器から、広がっていく景色は、とてつもなく大きい。

食卓という小さな輪から、大切なことがすでに始まっているのだと。

「美味しい」という言葉の背景にある姿。

「美味しい」という言葉の意味を、今一度、深く考え、感じたいと近頃は思うのである。