NIWA MAGAZINE

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香りを創る vol.3 文/Chikako

ローズ2

 

5月、再び南フランスのグラースへ旅立ち、ローズセンチフォリアの畑に行く機会を得た。訪れた所は、Dior用香水のバラを育てている所で、ご家族で経営されている。

 

その場所は、グラースのセンターから車で約20分程の所にある。道中車窓からは何処からかローズの香りを感じ、私は逸る気持ちを抑えた。

 

だんだん畑に近づくと、ローズの香りはすでに空中を舞っていて、その香気に酔いしれた。到着するや否やローズの畑が一面に広がり、眼でローズの美しさを、鼻で香りを、そして繊細な花の触感を思う存分楽しむ事が出来た。香りは贅沢そのもので、まるでバラの香水を全身で浴びているかのような強い香りを放っていた。土、花、光、全てがキラキラ輝く5月のこの時期にしかとれないローズを何人かの人達が一斉に収穫をしており、一人の女性から、今年は例年より暑く、全ての花を収穫するのは困難なのだと伺った。

 

ワインと一緒で毎年同じローズを収穫しても同じ香料は出来ないのである。そう、香りも一期一会なのだ。

 

すばらしい調香師が作り出す香水もとても魅力を感じるが、自然からの恵みを主体に産み出す香りに私はとても惹かれる。ふと考えてみると、様々な国の植物達、例えばフランスのローズ、イタリアのレモン、インドネシアのパチョリ、日本のジンジャー、インドの白檀、、、国籍は違うがさじ加減次第で共鳴し新たな香りが産まれる。自然にとって、国籍や宗教は関係ないのだとつくづく想う。そういえば、グラースに居た頃、自分自身も自然の一部だと感じていた事を改めて思い出した。

 

 

日中の興奮が冷めやまぬ夜・・・

 

次はどんなクリエーションが自分に出来るのか、ずっと考えていた。

 

 

 

ローズ1

Chikako
インセンスプロデューサー、クリエーター。
多摩美術大学で染織を学ぶ。その後テキスタイルデザイン事務所にてテキスタイルデザイナーとして従事。
2012年単身フランス・グラースにあるGrasse Institute of Perfumeryにて香料や香水の歴史、調香を学ぶ。2014年7月東京香堂Tokyo-Grasseの活動開始。
http://www.tokyo-kodo.com