NIWA MAGAZINE

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「庭の記憶」  取材・文/小川 敦子

 

自分らしさを取り戻す。

本当の私は、どんな私なのだろう。

それぞれの心の中には、
ちゃんと、それぞれの可能性が眠っている。
自分の中に、奥へ奥へと入っていく。
そうして、新しい「私」に出会う心の旅は、
きっと明日からの日々を
かけがえのないものに変える力を持っている。
植物たちの小さなささやきは、私たちを永遠の旅へと導いて行く。

 

 

 

 

hana wo sakaseru

 

 

「自分らしい花を咲かせましょう」。フラワーレメディストの谷口みよ子さんの語り口は、清々しい植物の持つ空気のように柔らかい。植物の代弁者のように。私の大好きな近所にある桜の樹から聴こえてくる「声」と同じだ、と思った。「いつか花を咲かせる日が来るから、大丈夫。」というささやきのような声—。

 

 

心が健康になることで、体も健康になるという考えのもと、編み出された、フラワーレメディという療法。水・光(火)・風・土という4つの要素をベースに花から抽出された「エッセンス」を、それぞれの心のパターンに合わせて、コップ一杯の水に数滴垂らし飲む、というとてもシンプルな方法で、心の調和を得るのだという。主に、エッセンスは38種類。選ぶ方法には色々あるが、私自身は、38枚の花のカードの中から、自分の心にピンと来るものをいくつか選ばせてもらった。これは、おもに無意識に働きかける方法だとか。未知の自分に出会える予感。

 

FE写真 4-6

この療法を生み出したバッチ博士は、それぞれの植物の中に、人の心と呼応する、ネガティブな側面と、ポジティブな側面を見出したそう。植物と人は不思議と共鳴しあう。「自分で認識している感情や思いは、実は心の表層の部分で、全体としては、無意識がほとんどを占めています。だから、深く内省し、無意識に入り込むことで、新たに自分を知ることができる。自分と共鳴したフラワーエッセンスは、おもに無意識に働きかける、発動の役割を果たします。自分を知り、感情を受け止め、マイナス面を含めた心の調和をはかることで、心配事があっても、大丈夫な自分になれるのです」と、谷口さんは言う。

 

 

さて、私が、今回メインで選んだのは、Cherry Plumという桜の一種のエッセンス。この花には、感情が抑制できず、自暴自棄になるというマイナスの側面と、精神的な強さとバランス、正気を保てるというプラスの側面があるとされている。自分のことを言い当てられたようで、気恥ずかしさもあったけれど、そのマイナス面は意識することはあっても、自分にそんな精神力があることは、全く思っていなかったので、正直ひどく驚いた。マイナスの状態になって、ひどく落ち込んだときは、一方では本来根っこにあるはずの精神面の強さを意識してバランスを取っていけば、ゆるやかに、精神が安定してくる。心の安定は、精神的な自立につながるという。

 

 

コップの水に垂らしたエッセンスをゆっくりと飲み干す。エッセンスは、その土地で採れた湧き水に、花を浮かべ、花の生きた「情報」を水にうつすというもの。水は情報を「記憶」するものと考えられている。そうして、エッセンスに保存料としてのブランデーを加え、希釈する。花の情報を記憶した水は、私にどんな変化をもたらしてくれるのだろう。「結果がすぐに実感されないことも多いのですが、人によって、いろいろな反応があるようですね。夢をよく見るようになるという話もあります。とにかく、結果を急がないことです」そう、心の対話、自分自身との対話は、眼には見えないとても静かな時間である。けれど、きっとそれは、かけがえのない大切な「なにか」をもたらしてくれるはずだ。

 

 

「私たちは普段なかなか直視できませんが、苦しいこと、怖いことに向き合って感じ切った後、その思いは溶けていくかのように、静かに調整されて行くのですよね。そして、心のとらわれから少し自由になって“今”に集中し、内なる光に触れる体験を深めていくのだと思います。」谷口さん自身も、美術館での仕事など様々な経験を経て、今という生き方がある。フラワーエッセンスは、生きる道筋を探し求めるために、セルフケアとして個人的に使っていたもので、まさか、レメディストとしての仕事を自分がするとは思っていなかったのだという。きっと、それこそが、植物からのメッセージであり、宇宙の「はからい」だったのだろう。

 

 

「自分の中に、すべてがある。自分を信頼して受け入れること、そして、愛すること。自分らしい花を咲かせていきましょう。蓮のように。蓮の花の形は、両手を合わせて開いているように見えます。それは、自分を受け入れ、天の光を受けとる姿の象徴のよう。花を咲かせるというのは、そういうことかもしれませんよね。」泥の中に、しっかりと根をはり、水の中で茎を伸ばし、水面に葉を広げる。夏には、凛とした美しい花を咲かせる蓮。凛とした佇まいの裏には、厳しい冬や様々な気候の変化を乗り越えながら成長し続ける、たくましさがある。揺るがない、芯の強さ。きっと、私たちが悩みながらも、心を成長させて生き続けることは、いつか、「私だけの」美しい花を咲かせることに繋がっていくのだろう。

 

soul niwa

私の心の旅も、まだ、始まったばかり。
私という無意識の「庭」の中で、
きっといつの日か、
自分だけの「内なる光」と出会えるだろう。

 

Illustration  by  Yuka  Nishiyama

 

 

谷口 みよ子(スペースハナ主宰、フラワーレメディスト)

 

東京生まれ。双子座(月はさそり座)。外資系銀行と美術館勤務を経て、より自分らしい生き方を模索する中で1997年、フラワーエッセンスに出会う。その「自分自身を癒す」心の作用に衝撃を受け、学び始める。

2000年よりスペースハナ(space+hana)を主宰し、編集や講座の主催、応用クラスの認定講師など、さまざまな形でフラワーエッセンスに関わる。現在はおもに東京でフラワーエッセンスの講座やワークショップ、個人セッションを行っている。またリーディングを通じたサポートアクセサリーも制作。訳書に:『エドワード・バッチ著作集』(BAB出版 2008)、『バッチのフラワーレメディー 植物のかたちとはたらき』(英国f.r.p. 2013)がある。

 

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お問合せ:spacehana@gmail.com

 

 

 

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*ワークショップ「フラワーエッセンス・トライアル」

毎月第一水曜日10:30より千代田区紀尾井町で、フラワーエッセンスを飲んだことのない方を対象とした体験型ワークショップを実施中。お申込み受付:随時

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*mahina pharmacy presents 「フラワーエッセンス・ワークショップ」。特別なタイミングで行う、わたしに出会うためのワークショップ(不定期)

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