NIWA MAGAZINE

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森のなかでvol.1  文/村山 充史

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vol.1   白い月

 

若かった日々を思い出す

向こうみずで何も恐れず

ただまっすぐに前を捉えていたあの頃に

 

生み出すものは荒削りでも透明で…

何より まったく偽りがなかった

 

その後 長く暗い試練の日々が訪れた

ときに残酷なまでに辛く

心を根こそぎ刈り取られるような体験とともに

自分を完全に抑え込んでひたすら試練に耐えた

 

現在(いま)…だからであろうか

自分に光と影がモザイクのようにひしめき合っている

それを混沌というのであろうか

 

 

しかし最近

フラッシュバックのようにではあるが

時折進むべき未来が見えるようにもなった

それは 瞬きのような短い間の出来事だが

日々を重ねるにつれて その一瞬が少しづつ頻繁に現れるようになってきた

 

心が未来にフォーカスしはじめている

そして 自分を取り戻し始めている

今を表現すればそんなところだろうか

 

問題は

自分がこれから生み出すものが

心の影に汚されてしまいはしないか…

そんな恐怖を無意識のうちに常に抱いてしまっていることだ

 

恐れるな と常に自分を鼓舞する

一歩だけ足を踏み出しさえすれば良いのだ と

 

赤子のように脆弱で

あまりにも繊細な新しいモノと心の胎動

それこそが夢にまで見た大切な未来だと信じている

だから 余計に怖くなる

 

長い間忘れていた未来を抱く感覚

20代半ばのあの頃なら

何も恐れずに受け容れられたのに

 

などと また自分と語り合っている

 

 

 

 

村山 充史(Atsushi Murayama)

 

1972年佐賀県生まれ

大学卒業後にカナダ留学を経て、

印刷会社で営業・ディレクション業務に携わる。

2002年に、創業者である先代の病気療養に伴い、現在所属している株式会社ミツセファームの代表取締役となる。

以来今日まで、同社にてハーブを栽培し、それをもとにした製品をプロデュースしている。