NIWA MAGAZINE

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素材ありきのlabo85の料理 vol.1 文/嶋田葉子

20130829_ 3

 

Dish:秋なすのグリルと巨峰のピクルス

Roasted eggplants and pickeled kyoho grape

 

材料: 約2名分

加茂なす                  1個

巨峰のピクルス*               6〜8粒(お好きなだけ)

exvオリーブオイル             たっぷりと

粗塩(あれば赤ワイン塩)          ひとつまみ

バルサモデヴィーノ(熟成したバルサミコ)  小さじ1〜

アボカド                  1/2個

クミンシード                少々(おこのみで)

コリアンダーシード             少々(おこのみで)

ピスタチオ                 少々(おこのみで)

 

*巨峰のピクルス:(作り易い量)

巨峰                一房

ドライプルーンや無花果       2個

赤ワインビネガー          100ml

アップルサイダービネガー      100ml

赤ワイン              50ml

蜂蜜                80ml

ローレル              1枚

スターアニス            1個(おこのみで)

●巨峰のピクルス作り方

巨峰は皮を剥いて種がある場合は1/2だけ切り込みを入れ取りのぞいておく。

巨峰以外の材料を小鍋に入れ沸騰したら火を止め冷ましてから巨峰をつけ込む。

 

●秋なすのグリルと巨峰のピクルス作り方

茄子は厚めにスライスし、バットなどに並べて両面に塩をふり(分量外)5分程置いて水気を拭き取る。

熱したフライパンにオリーブオイルを多めに入れて茄子を揚げ焼きのようにグリルする。

(中がとろりとなるくらいまでじっくりと。)

お好みでアボカドもさっとグリルすると美味しい。

器にグリルした茄子、アボカドを盛りつけ、巨峰のピクルスを添えて仕上げにオリーブオイル、バルサモデヴィーノをかけて完成。

お好みで砕いたピスタチオ、クミンシードやコリアンダーシード

(フライパンで香ばしく炒っておく)を添えるとピクルスに入れたアニスの風味とも相まってエスニックな一皿に。

 

Memo

まだちょっと暑さの残る9月。

冷製でいただいても美味しい旬菜が詰まった一皿。

暑さの厳しい夏がちょっと落ち着くころにたまった疲れが

でやすいのでフルーツ&ビネガーですっきり。

巨峰のピクルスは沢山作って置き

BBQのときなどに

前菜として、チーズやレバーパテなどと楽しんだ後

お肉やチーズと一緒にマリネして直火でグリルしたり、

ソースのように添えてもよい。

巨峰を無花果などに変えても美味しい。

 

 

あじ と いろ  Taste & color

料理をする時

素材を手に

舌で味わう感覚の記憶をたよりに

まず頭の中で味わってみる。

この色に味がついていたらなら...と。

同じ色のものどうしを組み合わせてみたら

相性が良いのかも、とか。

異素材でも、その色を構成する要素がにているし、

などと想像しながら。

 

たとえば茄子と巨峰。

旬も同じ時期で秋を想わせる濃紫が共通点。

茄子はグリルしてトロットした食感を楽しみ、

巨峰は皮をむいてたねを取り除きピクルスに。

皮を剥いてしまうと薄緑の実になってしまうのだけれど

赤ワインビネガーに漬けると、紫と茜の中間のような、

なんともいえない秋っぽい色になる。

こうやって違う味に仕立てられた似た者同士が

ひとつの器に盛りつけられる。

仕上げに軽く炒って香りを出したクミンとコリアンダーを

指で砕いて香りをのせる。

甘い香りを残しつつも、

同じぶどうから作られた赤ワインビネガーで

バランスのとれた酸味に仕上がったピクルスには

さらに赤ワインの塩やハイビスカスの入った赤やピンクの塩がよく合う。

最後にとろりとした食感に砕いたピスタチオでアクセントを。

ピスタチオの鮮やかな緑色の実を包むその薄い皮の

ベージュ、緑、紫と続くグラデーションが

何ともいえない色合いで、剥かずに一緒に砕いて

ついパレットに見えるお皿にぱらりとやってしまうのだ。

結果的に、その薄皮の絶妙な色味や渋みが

お皿の上の濃紫色と鮮やかな緑を、

グリルした茄子の焦げ目の苦みとピクルス酸味を

うまくつないでくれている。

視覚からの色と舌の食感を交差する感覚を

脳裏で味わいながら指先を動かしていると

キレイな緑色のグラデーションのアボカドが突如

記憶の引き出しから引っ張りだされる。

予定されていなかったキャストがサプライズで飛び入り参加。

とろりとした食感にファンが多いこのヒトは本当に出番が多い。

今回も例外ではなくむしろ期待通りな感じで。

最終的にこの個性派達をうまくまとめたのは少し酸味のある美味しい

お塩だった。

たびたび訪れるこんな素敵な偶然のサプライズ。

素材がそこここにある事に、

それを育ててくれた人に、

感謝と尊敬の

気持ちでいっぱいになる瞬間だ。

 

 

そしてそれを

食べる時

色や形を目で楽しみ

 

香しい匂いからいろんな食感や味に想像をふくらませ

口に入れたとたん感じる舌での感覚が記憶として残る。

目に見えている素材の色と味がリンクする瞬間。

 

あじ と いろ

いろんな記憶が蘇り、

そして

また新しく塗り替えられていく。

 

 

labo 85/嶋田葉子 プロフィール

旬の素材を使った料理研究やケータリングを行う
「labo 85」主宰。国内海外のオーガニックレストランでの調理やケータリング、
インテリアショップでの勤務を経て現在に至る。期間限定カフェや
レストランメニューの開発など国内、海外問わず幅広く活動。

オリーブオイルソムリエの資格を生かしてさまざまな素材に合うオリーブオイルを

提案するメニューなども研究中。

www.labo85.com