NIWA MAGAZINE

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素材ありきのlabo85の料理  vol.2  文/嶋田葉子

2013-09-29 07.25.31

 

Dish:栗とキャラメルナッツのパルフェグラッセ

marron and caramelized nuts parfait glaces

 

[ 塩キャラメルナッツ ]

フライパンにきび砂糖と水をいれ溶かし、ローストしたナッツをいれ水分がなくなるまで木べらで混ぜる。香ばしいキャラメル色になってきたら塩をひとつまみ加えよく混ぜて火から下ろしてオーブンシートに広げて冷まして密封容器で保存。(焦げ易いので火加減&やけどに注意!)

-作り易い量-

ナッツ (ローストしたもの)  20g

きび砂糖            100g

水               大さじ1

海塩              ひとつまみ

 

 

材料: 約4名分

卵黄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4個

きび砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・80g

水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40ml

コ−ヒー粉(インスタント)・・・・・・・・・・・小さじ1

生クリーム ・・・・・・・・・・・・・・・・・300g

マスカルポーネチーズ・・・・・・・・・・・・大さじ3

栗の渋皮煮 (刻む)・・・・・・・・・・・・・・3個

ラム酒・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1

キャラメルナッツ(粗刻み) 適量

海塩 (お気に入りのものを)    少々

 

[ 栗とキャラメルナッツのパルフェグラッセ作り方 ]

①ボウルに卵黄ときび糖をすり混ぜておく。

 

②小鍋にきび糖40gと水40ml、コーヒーの粉を入れ、軽く沸騰させコーヒーシロップを作る。

 

③ボウルに卵黄を溶きほぐし1を垂らしながらホイップしていく。

 

④7分立てした生クリームとマスカルポーネを 混ぜ合わせたものに2をあわせる。刻んだ甘栗と塩キャラメルナッツを混ぜ込みグラシン紙にスプーンなどでドロップ型におとして茶巾のように上部を軽く絞って2時間〜冷やし固める。

 

⑤グラシン紙からだして冷やしたお皿に盛りつけ、砕いたキャラメルナッツ、岩塩をお好みでほんの少し添えて。

 

Memo:

栗は渋皮煮がなければ市販の甘栗などで代用可。

ビターチョコを混ぜても美味しい。

バニラ塩を使っても◎

 

 

しお と いろいろ

salt  &  etc.

 

さらさら、しっとり。

白、黒、ピンク。

甘、辛、苦。

 

塩にもいろいろな質感、色、味、がある。

 

料理で使う塩もいろいろ。

カルシウムを多く含む塩でアクを抜く事に始まり、

ミネラル味あふれる塩で味を整える“決め”の一振りまで。

塩漬けなど保存する事に使う事もしばしば。

旨みだけでなく、酸味、苦み、甘みを素材から引き出してくれる塩は

料理にはなくてはならない存在。

素材が新鮮で良質なものであれば、

むしろ塩のみでもよいといっても過言ではない。

私は大抵、

塩に含まれるミネラルのバランスで使い分けるのだけれど

中でもよく使う海塩は海のミネラルバランスが反映され

それらが素材や料理の味の輪郭を作る

重要な役割を果たしている。

 

素材の味を構成する成分のバランスを

自分のもつ感覚を頼りに分析し

それをもとに組み合わせる塩やオイルを選ぶ。

青いトマトを使う一皿には

青リンゴやレモンの香りのフレッシュさの中に

すこし苦みがある様なオイルを合わせ

その苦みをまろやかにする塩を組み合わせるといった具合。

 

 

さらに

塩にもうひと工夫することで

感覚を刺激する様な仕掛をする事もしばしば。

塩に香りを移したり、薫製にしたりすることで

ただの“しょっぱい“では終わらないかわりに

すてきなサプライズを

プレゼントしてくれる。

 

例えば、

塩の瓶の中にビーンズを削ぎ取った後の

バニラのサヤを入れて香りを移すことで

甘さの誘惑のなかにくる

塩っぱさが魅力のバニラ塩。

新鮮な卵と牛乳で作った

シンプルなカスタードで作るプリンや

アイスクリームにほんの少し加えるだけで

少しのしょっぱさが全体の甘さを引き立て

卵の旨みやミルクの甘みが際立ち

バニラの香りが口の中に広がる。

 

旬の栗を使ったひんやりデザートにも

ひとふりのサプライズを。

甘みのある栗を

ふんわり&ひんやり食感のパルフェグラッセに仕立てる。

これだけでも栗とマスカルポーネの丸みを帯びた甘みとコクを

十分に楽しめるのだが、その丸さには

ほんの少しだけ尖ったものを足してバランスをとることで

さらに五感を刺激する素敵なデザートになる。

カリカリの食感と

ほんの少ししょっぱさの残る塩キャラメルナッツを

砕いて混ぜ込むと

たちまち優しいだけではない大人なスイーツに。

 

甘いものとしょっぱいもの。

相反するもの同士がお互いを引き立てあう素晴らしい組み合わせ。

偶然のような必然。

こんな瞬間に出会えるたびに料理人の五感も刺激されるのだ。

 

夏に旅した岩塩の町、

ザルツブルグで初めて出会った“酸っぱい”塩も

そんなサプライズをもった塩のひとつだった。

その酸味の正体はハイビスカス。

塩っぱいと酸っぱいを同時に感じる味にもビックリだが

色もはっとする様な紅色。

その奇麗な色から想像できない新感覚の味に

鈍っていた感覚が一気に目を醒す。

何に使うのか不思議に思い尋ねてみると

現地ではアボカドにはかかせない塩だとか。

さっそくスプーンでひとすくいしたアボカドにぱらり。

アボカドのぼんやりとまあるい味の輪郭を

くっきりと際立たせてくれるのが

このしょっぱさと酸味なのだ。

最後にはきちんとアボカドの甘みとその塩のもつ

甘みが残る。

その味をもう一度確かめたくてもう一口...

とついついこの塩だけで

あっという間に1個ペロリと完食。

これぞ しおのふしぎ、“しおマジック“。

 

そういえば

水とミネラル成分が似ている塩。

お料理と合わせる飲み物にも使用する塩のミネラルバランスが

関係しているのかも...

 

まだまだ知りたい事が沢山ある

こんどはどんな塩に出会えるかな。

 

しおのふしぎ

しおのいろいろ。

 

labo 85/嶋田葉子 プロフィール

旬の素材を使った料理研究やケータリングを行う「labo 85」主宰。国内海外のオーガニックレストランでの調理やケータリング、インテリアショップでの勤務を経て現在に至る。期間限定カフェやレストランメニューの開発など国内、海外問わず幅広く活動。オリーブオイルソムリエの資格を生かしてさまざまな素材に合うオリーブオイルを提案するメニューなども研究中。

www.labo85.com