NIWA MAGAZINE

  1. exnibition
  2. trip

器を作る。思考する。 vol.16 文/森脇靖

niwaaug

 

vol.16  「熱」

 

真夏になる少し前に撮影した
写真を眺めている。

 

製陶所敷地内に少しだけ自生していたギボウシが
年々株を増やし
その花に多くの蜂が集まってくる。
ギボウシとハナバチ。
花と蜂。

 

写真を見つめていると、次第に
昆虫と植物の境界線が消えていき、
別々に捉えていたそれらが、
元々一つの生命体であったかのように思えた。

 

花蜜を得る。
受粉を委ねる。
依存という状態でもなく。
どちらにとって損か得か、でもなく
互いの生命を取り込み合っている。

 

花は蜂であり、蜂は花である。
与える側でもなく、受取る側でもない。
互いが互いを受け入れあっている姿が恐ろしいほどに自然なのだ。
各々が、我らは別の生命体ではないのだと、
発している熱みたいなものが、そこにあった。

 

 

森脇靖

 

陶芸家。島根県邑南町生まれ。松江高専卒業後、県の工業技術指導研究所で陶芸の基礎を学ぶ。さらに松江在住の陶芸家原洋一に師事。2000年に邑南町にて独立開窯。以降島根県内外で個展を重ねてファンを増やしている。使い勝手が追求されたユニークなネーミングの食器を手がけてきたが、数年前に地元の益田長石を配合した釉薬による独特な肌合いと色彩を完成させて以来、それに合わせて造形にも磨きがかかり、ほどよい緊張感を持った有機的で豊かなフォルムの花器、茶碗皿などを生み出している。日常の暮らしと作陶は常に同じ線上にあると語っているように幼い二人の息子と妻との暮らしを大切にしながら真摯に器作りをしている。
(紹介文/book & gallery DOOR 高橋香苗 2013.11)

*森脇さんのお宅では、2014年の暮れの頃に、女の子の赤ちゃんが産まれました。

 

森脇製陶所
〒696-0314
島根県邑智郡邑南町岩屋1273-4
電話:0855-83-2177
web:http://morisei.net