NIWA MAGAZINE

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食と色彩、そして実験 vol.10 文/嶋田葉子

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今月の実験

[アスパラガス、空豆、ピスタチオ] × [甘梅+赤紫蘇+ベリー]

アスパラガスと空豆のペーストと甘梅とベリーのピュレ

 

梅と雨。

梅雨に入り紫陽花が彩りを添える6月。

 

しとしと雨が続く中、青梅でつくる梅シロップに始まり、爽やかな甘い香りが立ちこめ始める黄色く熟した梅で行なう梅干の仕込までを夏に向け準備する日々が続く季節。この時期、日々様々な梅仕事が行なわれるキッチンでよく作るのが赤くてカリカリの甘い梅。自家製甘梅の差し入れを頂いてから、その程よい甘さと赤紫蘇の塩気の絶妙なバランスにハマってしまいすっかり虜に。梅干し作り程時間もかからず、すぐに作れてしまうのも魅力的。酸味と甘味がバランス良い甘梅は雨が続き体にも水分が滞り易くなるこの時季にはぴったりの食材。同じく巡りを良くしてくれる空豆や山椒を合わせて、旬のものがギュッと詰まった一皿の実験。

 

アスパラガスと空豆。

 

どちらもこの時期らしい若芽色が美しくほんのり甘味がある。旬を迎えるこの時期の野菜達は水分をたっぷりと含んで瑞々しい。空豆ははじけそうなほどぷっくりとした豆が外皮と実の間のふかふかのワタに包まれている姿が何とも愛らしく、つい丸ごと料理したくなってしまう。アスパラガスは収穫してすぐのものは生でも十分美味しく、果汁のごとく水分がたっぷりと含まれぱりっとした歯ごたえが何本でも食べれてしまうほど。

 

今回はこの2つをさっと蒸し焼きにして甘味を最大限に引き出し、コクをプラスするためピスタチオナッツと合わせて色鮮やかなピューレに。グリーンが奇麗なピスタチオは小粒ながらギュッと詰まった香りとほんのり甘いコクがある。そこに空豆とアスパラガスのホクっと甘味を帯びた香ばしさが加わるので味付けはほんの少しの塩とフレッシュなオリーブオイルのみで十分。好みでミントや山椒を加えるとまったりとした味の輪郭がピリっとした後味とフレッシュなグリーンな香りでぐっと引き締まる。

 

甘梅は一緒につけた赤紫蘇と一緒にピュレに。このままだと全体的に甘味が少し強いのでフレッシュなブルーベリーやラズベリーを加え,バルサミコをほんの少しプラス。こうすることで酸味と甘味のバランスがとれ豆やナッツのコクともぴったり。このピュレに粒マスタードやフレッシュなオリーブオイルをを加えればドレッシングにもなり野菜だけでなく、白身魚や鶏肉にもよく合うソースとしても活躍するので多めに作って常備すると◎。

 

試食してみようと、ディップする物を探しながら即席で作ったそば粉のチャパティを少し炙ってちぎり,ディップをすくってパクリ。豆とアスパラガスのほっくりした香りがそば粉の香ばしさを引き立て、豆の甘さがふわっと広がる。まるでフルーツのような華やかな梅の香りとベリーのフレッシュな酸味、山椒&ミントの葉の青々しい香りが湿った空気を一気に吹き飛ばしてくれる感じが爽快な一皿に。

 

キリっと冷やした白ワインやシードルにはもちろん

雨の日には格段と美味しく感じる日本酒にも

合うのは間違いないな..と

飲み物とのペアリンングが

ぐるぐると渦巻き始めて次なる実験へと繋がっていく...

と、そのまえに

とりあえずシードルをひとくち。

 

 

旬の食材と色彩。

様々に試行を重ねながら、そこから受けるインスピレショーンに

自分の五感を忠実に織り交ぜ「美しい食」を生み出す

labo85の食の実験。

まだまだ、これからはじまったばかり・・・

 

 

 

labo 85/嶋田葉子 プロフィール

旬の素材を使った料理研究やケータリングを行う
「labo 85」主宰。国内海外のオーガニックレストランでの調理やケータリング、
インテリアショップでの勤務を経て現在に至る。期間限定カフェや
レストランメニューの開発など国内、海外問わず幅広く活動。
オリーブオイルソムリエの資格を生かしてさまざまな素材に合うオリーブオイルを
提案するメニューなども研究中。

http://hacolabo85.wix.com/labo85