NIWA MAGAZINE

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食と色彩、そして実験 vol.13 文/嶋田葉子

NIWA_1609

 

今月の実験

無花果+胡桃+[塩豆腐+リコッタチーズ]+木の芽

 

無花果と胡桃の白和え

 

残暑がまだまだ厳しい日中とはうらはらに夜風が気持ちよく、夏の隙間に、ほんのり秋の気配を感じる9月。

 

夏の暑さからの体の疲れや冷たい食べ物からの胃腸の疲れを感じる人も多いのでは?そんなときにぴったりな季節の果物、無花果。消化を助けてくれる酵素や日焼けした肌にも嬉しい抗酸化作用のあるポリフェノール、ミネラルもたっぷり。その上、種もなく皮もそのまま食べられる手軽さもあってそのまま朝食やおやつ、そしてお料理にも良く登場します。なかでも旬のものを淡白な豆腐と和えるだけの白和えは気軽に作れる定番料理。冷やしても常温でも美味しいのでこんな季節の変わり目にもぴったり。ということで今回はおなじみの白和えにひとひねり加えた一皿を実験。

 

ー無花果。
 
「無花果」と言う字からも分かるように花は外から見えない部分にあるそうで実は私たちが食している赤いぶつぶつの部分がその花の部分。皮の黄緑と濃紫色のコントラスト&うっすらピンクな断面は艶やかでなんだか色っぽい。
(縦にカットするとうっすらピンクなハート型が!)
 
皮をむかずともカットして器にハーブやチーズと盛りつければもうそれだけで十分。真夏の果汁が溢れるようなみずみずしい果物とは違い、秋めいた時期にぴったりな甘味がギュッと濃厚でトロットした果肉とつぶつぶの食感のコントラストが何とも言えず美味。この濃厚な甘味に合わせて白和えの衣はいつものさらっとした豆腐にもうひと手間かけて更に旬の果物を引き立てる濃厚な和え衣に。
 
豆腐はよく水切りした後、多めの塩をまぶして塩豆腐にすることで水分がしっかりと切れて塩味がギュッと濃厚な豆腐になり,食感や味はまるでチーズ。すり鉢に炒ったクルミとこの塩豆腐を摩りあわせ、そこにリコッタチーズを加えてみるといつもの淡白な白和え衣にミルキーな甘味とコクがプラスされ熟した無花果にぴったりの和え衣に。
 
主役の無花果は大きめにカットし、手で粗く割った胡桃、塩豆腐とともに、この和え衣でさっとあえ、仕上げにオリーブオイル&木の芽を少々。塩豆腐の塩気が無花果の甘味を引き立て、さっぱりとしつつも、胡桃とリコッタのミルキーなコクがしっかりと感じられる季節の味がギュッと詰まった濃厚な一品に。

 

 

残暑の厳しい暑い日には、食べる前によく冷やして木の芽で爽やかに仕上げ、よく冷えた白ワインや日本酒と。少し秋めいた日には、
ぜひ作りたての常温で仕上げにもうひと手間かけて、蜂蜜と黒胡椒をプラスすれば、赤ワインやクラフトビールにもぴったりなおつまみにも。

 

沢山作ったので酸味の利いたライ麦のパンにクリームチーズを塗って、ルッコラや紫蘇と一緒にサンドイッチにもしても美味しいかも...?などと考えながら、ワインとのペアリングを楽しみむ夕涼み。だんだんと日が暮れるのが早くなるのが名残しくもありつつも、秋に向けての彩り豊かな収穫の時期にワクワク。心も体も夏から秋にシフトする大事な時期。

 

秋雨が続き憂鬱になりがちな季節の変わり目も、全ては収穫直前のつや出しだと思えばこその恵みの雨。そんなときはキッチンにこもって、気になる素材の組み合わせで思う存分実験、な日々に感謝。

 

旬の食材と色彩。

様々に試行を重ねながら、そこから受けるインスピレショーンに

自分の五感を忠実に織り交ぜ「美しい食」を生み出す

labo85の食の実験。

まだまだ、これからはじまったばかり・・・

 

 

 

labo 85/嶋田葉子 プロフィール

旬の素材を使った料理研究やケータリングを行う
「labo 85」主宰。国内海外のオーガニックレストランでの調理やケータリング、
インテリアショップでの勤務を経て現在に至る。期間限定カフェや
レストランメニューの開発など国内、海外問わず幅広く活動。
オリーブオイルソムリエの資格を生かしてさまざまな素材に合うオリーブオイルを
提案するメニューなども研究中。

http://hacolabo85.wix.com/labo85