NIWA MAGAZINE

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食と色彩、そして実験 vol.14 文/嶋田葉子

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今月の実験

新米+胡桃+牛蒡

 

 

秋の実りおはぎ。夏から秋へと移ろう様に様々なもの、ことが衣替えを始めるこの季節。そして稲穂が色付き、豊かに実った自然の恵みが一斉に収穫を始める10月。
 
この時期だけのお楽しみでもある“新米”。水分たっぷりのモチモチとした食感は土鍋で炊いてお米の旨みを楽しんだ後にはその水分を活かしたおはぎにすれば、余すとこなく新米を味わい尽くせる!とついつい欲張ってしまうのです。
 
そして乾燥しはじめるこの時期。肌や肺を潤してくれる木の実も加え、定番おはぎを新米と秋の実りをふんだんに使って衣替え。
 
秋の実り。
胡桃と牛蒡。
 
秋の落ち葉の様なベージュのグラデーションが美しく、ローストしたときの香ばしい香りは土や木の皮を思わせる秋そのもの。木の実はそのコクと香ばしい食感の両方を楽しめる様,ペーストと刻んだ物との2通りで加えてみる事に。加える1/2量を炊いた新米,とともにすり鉢ですり潰しながら少しペースト状にして練り込み、残りを粗く刻んで香ばしい食感をプラス。甘味にはコクとキャラメルの様な香ばしさがナッツにもぴったりなメープルシロップを使用。もっちりとした新米の甘味とカリッと香ばしい木の実の組み合わせ。
 
これだけでも十分に美味しいのだけれども同じく土っぽい香りの中にも香ばしいナッツの様な香りが独特の旬菜、ごぼうを合わせてみたらきっと美味しいのではと、ごぼうに少しみりんを加えて甘く煮て白みそと合わせてペーストにして牛蒡餡に。胡桃とメープルの新米おはぎをベースにモンブランの装いを真似てごぼう餡のそぼろをまとわせればまたひと味ちがう新米を味わえるおはぎの完成。
 
ほくほくとした牛蒡の持つ本来の甘味、力強い大地の香りが新米の瑞々しさを感じるおはぎと一体に。これ一つでご飯を食べたかの様な満足感。大地の恵みを存分に味わえる新米おはぎの完成。
 
日が落ちるとすーっと空気が冷たく感じ始めるこんな季節に、あたたかいほうじ茶や香ばしいそば茶と一緒に食べたくなる、そんな感じ。

 

 

残りのおはぎにはきな粉をまぶしてみたり、次の日に固くなったりしたら、香ばしく炙ってもきっと美味しいにちがいない。(というか、それが食べたくてつい多めに作ってしまうのですが.....)
 
そして日が暮れるまでにもう一仕事、栗の渋皮煮の仕込み。仕込のお供もアイスコーヒーや冷たいお茶から衣替え。そろそろ温かいそば茶にしようかそれとも香ばしく炒った黒豆茶にしようか?と悩むところ。改めて日本の彩り豊かな四季と稲穂の実る米の国で育った事に感謝。
 
 
旬の食材と色彩。
様々に試行を重ねながら、そこから受けるインスピレショーンに
自分の五感を忠実に織り交ぜ「美しい食」を生み出す
labo85の食の実験。
まだまだ、これからはじまったばかり・・・

 

 

labo 85/嶋田葉子 プロフィール
旬の素材を使った料理研究やケータリングを行う
「labo 85」主宰。国内海外のオーガニックレストランでの調理やケータリング、
インテリアショップでの勤務を経て現在に至る。期間限定カフェや
レストランメニューの開発など国内、海外問わず幅広く活動。
オリーブオイルソムリエの資格を生かしてさまざまな素材に合うオリーブオイルを
提案するメニューなども研究中。
http://hacolabo85.wix.com/labo85