NIWA MAGAZINE

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食と色彩、そして実験 vol.17 文/嶋田葉子

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今月の実験

百合根+レモングラス+氷餅

 

 

白鳥餅

 

新年と言えばはなびらもちが定番ですがことしは酉年。

ならば白いとりをイメージした和菓子も素敵だなと思っていたところに1月の実験材料にハーブを使ってみませんかとご提案が。使用するのは以前より気になっていた佐賀県にあるハーブ園、みつせファームさんのハーブ。ご縁があって送っていただいたのは、若草色の葉先ではなく白っぽい株元。ハーブ園の方はこの部分のイメージを “純白”色に例えた、と聞いて新年にはぴったりだと思い、同じく白色の百合根と合わせて、和菓子にアレンジしてみることに。

 

2017年の実験開始です。

 

今回使用するレモングラスの株元の白い部分はレモングラス特有のレモンやバーベナの様なシトラス系の香りの爽快なフレッシュさから青っぽい香りを取り除いたようなまさに“白”のイメージ。

 

この色のイメージのままの香りを残したくてこの株元の部分を水で煮出し砂糖を加えシロップにし、蒸し上げた百合根を裏ごししたものを合わせて練り切りに。“白”のもつ香りと風味をつなげる為に塩を加えるときゅっと全体が引き締まりほんのりと甘味を感じる百合根の上品な白さも際立つように感じるから不思議。そういえば塩も白い食材。仕上げにまぶした氷餅はイメージした白鳥のふわふわとした羽毛になり、くちばしにはビーツでほんのりと紅色を。

 

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出来上がった“白鳥餅”を一口頬張るとレモングラスのフレッシュな香りの“白”とほっくりとした甘味を帯びた百合根の“白”の食感。はじめての組み合わせに新しい感覚が刺激され新年の新しい一ページを開くのにぴったりな一品に。

 

しっかりと甘味が凝縮された和菓子にはお抹茶や玉露を合わせるのが常ですがこのふんわりと軽やかな甘さの一品にはフレッシュなハーブの香りのお茶がぴったり。緑茶をベースにミントとレモングラスをブレンドして年末年始でちょっぴりつかれぎみの胃にも優しいお茶でリフレッシュ。

 

そして。

窓をあけてキリッと冷たい空気で深呼吸。

頭の中も体の隅々まで“真っ白”にして、

今年も沢山のいいものを吸収できるように、と。

すてきな新しい年のはじまり。

 

 

旬の食材と色彩。
様々に試行を重ねながら、そこから受けるインスピレショーンに
自分の五感を忠実に織り交ぜ「美しい食」を生み出す
labo85の食の実験。
まだまだ、これからはじまったばかり・・・

 

 

○今回の実験の素材

>HERB/三瀬ファーム

福岡からの峠を越え、程なくたどり着く、佐賀県三瀬村。美しい山並みの風景と澄み切った水が流れ、素材に満ち溢れた土地でもある。 三瀬ファームは、標高400mぐらいに位置し、日本に西洋ハーブが浸透する、ずっと以前より、ハーブの栽培を始めた、先駆者的な存在。水のように澄み切った香りと質の高いハーブを生み出し続けている。ファームでは、併設されたレストランにて、とれたてのフレッシュなハーブティーや香り高い料理をいただくこともできる。

佐賀県佐賀市三瀬村藤原3494−1
tel 0952-56-2434

 

>塩/自凝雫塩 脱サラファクトリー

今回、使用した塩は淡路島で純粋なる海水のみで作られたもの。主張しすぎず、ミネラルの味も立ちすぎない。まさに、素材を引き立てる名脇役となる一品。辛みの奥に、うまみとなる甘みが感じられる。

〒656-1314
兵庫県洲本市五色町鮎原鮎の郷452番地31
http://hamashizuku.com

 
 
labo 85/嶋田葉子 プロフィール
旬の素材を使った料理研究やケータリングを行う
「labo 85」主宰。国内海外のオーガニックレストランでの調理やケータリング、
インテリアショップでの勤務を経て現在に至る。期間限定カフェや
レストランメニューの開発など国内、海外問わず幅広く活動。
オリーブオイルソムリエの資格を生かしてさまざまな素材に合うオリーブオイルを
提案するメニューなども研究中。
http://hacolabo85.wix.com/labo85