NIWA MAGAZINE

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食と色彩、そして実験 vol.19 文/嶋田葉子

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今月の実験

にがり絹ごし豆腐+自家製ハーブリキュール+梅酒

 

 

豆腐とハーブリキュールのシロップ

 

三寒四温を繰り返しながら、木々の蕾が膨らみ、菜の花の鮮やかな黄色や若草色がそこかしこに彩りを添え始める早春、3月。気分もウキウキふわふわし始めるこの時期の心模様を表すかのような、真っ白でふんわりと、とろけるような食感のお豆腐が今月の実験の材料。

 

そのお豆腐とは京都のとようけ屋山本さんのにごり絹ごし豆腐。国産無農薬大豆を使用し、豆の風味を大切に作られる、このお豆腐の最大の魅力でもあるとろけるような食感は、にがりで固めた絹ごしならでは。柔らかすぎず固すぎずの絶妙なバランスのやさしい食感は老舗の職人さんならではのなせる技。

 

口どけの良いお豆腐は白くて味も淡白なだけにデザートなどにも様々な使い方ができるのが魅力。とようけ屋さんのお豆腐は一口食べると上質な豆の甘みがくっきりと際立ちそのままが一番美味しく、今回はその味を際立たせるシンプルなシロップでデザート仕立てに。冬のおしるこを軽やかに模様替えしたようなイメージ。お豆腐にあわせるのは春の訪れを思わせる薄紅色のシロップ。

 

自家製梅酒のシロップにローズヒップとジャーマンカモミールを漬け込んだ自家製のハーブリキュール。ローズヒップの薄紅色と酸味そしてカモミールのほのかなりんごの香りが梅の酸味と爽やかな香りを引き立てる甘酸っぱい味。

 

酸味のあるローズヒップティーに甘酸っぱいハーブリキュールを加えて少し温めたシロップは、爽やかでさっぱりとした香りが軽やかな早春の風の様。ふんわりとやわらかな絹ごし豆腐を優しくすくって、おなじく真白で絹のような少しマットな質感の器へ。

 

シロップをたっぷりと注ぎ入れお豆腐と一緒に口に運ぶとふんわり、そしてトロリと口の中でお豆腐がとろけてまるでマスカルポーネチーズのデザートのよう。お豆腐なので軽さがありつつも上質の大豆がたっぷり使われているので豆の甘みがぎゅっと濃縮されつつもチーズの様にクセもなくさらりと消えていく後味に、もう一口、とするすると入ってしまう。

 

ローズヒップには抗酸化やウイルス予防の効果もあるので、季節の変わり目で体調崩しやすいこの時期にもちょうどよく、まだ寒さの強い日にはお豆腐を温めて、小春日和には冷やして食すとまた豆の甘みが違って感じるのでぜひ両方試して見るのがオススメ。

 

器に残ったシロップも全てのみ干しながら、まだ肌寒い日には甘酒や豆乳に、この自家製ハーブリキュールを合わせたシロップも試してみたいなーと次の実験へ思いをめぐらせる。

 

旬の食材と色彩。
様々に試行を重ねながら、そこから受けるインスピレショーンに
自分の五感を忠実に織り交ぜ「美しい食」を生み出す
labo85の食の実験。
まだまだ、これからはじまったばかり・・・

 

 

 

○今月の実験の素材

京豆腐 とようけ屋 山本

四方を山に囲まれ、山からの恵み「水」が行き渡る、京の街。その水で作られた豆腐は、まさに、水のごとく、滑らかでするりと喉元を抜けていく食感。「京豆腐」の本髄を貫き通す、一本筋の通った、とようけ屋のお豆腐は、コクと旨味が絶妙に合わさった味わいで、食にこだわりの強い京都人から、永年愛される存在。

〒602-8336
京都市上京区七本松通一条上ル滝ヶ鼻町429-5
TEL(075)462-1315

http://www.toyoukeya.co.jp

 

 

labo 85/嶋田葉子 プロフィール
旬の素材を使った料理研究やケータリングを行う
「labo 85」主宰。国内海外のオーガニックレストランでの調理やケータリング、
インテリアショップでの勤務を経て現在に至る。期間限定カフェや
レストランメニューの開発など国内、海外問わず幅広く活動。
オリーブオイルソムリエの資格を生かしてさまざまな素材に合うオリーブオイルを
提案するメニューなども研究中。

http://hacolabo85.wix.com/labo85