NIWA MAGAZINE

  1. exnibition
  2. trip

食と人 vol.18 文/矢沢路恵

image067

 

文化服装学院Ⅱ部服装科、円形校舎最後の生徒である。当時、円形校舎内の教室は冷房設備がある部屋と無い部屋にわかれ、冷房が無い部屋の夏の教室は窓から吹く風にハトロン紙が宙を舞い、キャーキャーいう声がとなりの部屋から聞こえてくるのが風物詩となった。夜学で通った専門学校時代に非常に稀な経験をした。不器用で忍耐のない私がひとつだけ集中出来た授業が、色彩の勉強だった。生地を縫うことよりもパターンをひくことよりも、何より楽しい授業だった。夕焼けが色の波長の長さにより赤くみえること、オペの手術着が血液の反対色で青いこと、シャボン玉の色の揺らぎは二層になっているためオーロラに輝いてみえること、プリズムに光を通したとき、色というのは光がないと何もみえないことを学んだ。

 

 

数年後にフードコーディネイターのカルチャースクールへ申し込み、食材が色彩に深く関わっていることを諭され、授業のカリキュラムを組む際にうまい事言われて意図せず色彩検定2級を受けることとなった。2〜3ヶ月の特別クラスですぐ受験をひかえていたため、先生がスパルタで教えるのだが週一日通うのが恐ろしくて仕方なかった。そのスパルタのおかげで難なく2級合格となったのだが、色の勉強というものが暗記ではどうしようもないものだとは知らなかった。

 

 

数式で表せないので、しらみつぶしに色を目で覚えていくのである。それしか勉強法はあらず。青い色ひとつにしても同じような色が数種類もあり、ピンクといっても微妙な色がありすぎてもどかしい。色の記憶を目で覚える、それは短期間では不可能である故、先生のスパルタに怯えながら必死で記憶した。(そのおかげで色名の回答率はパーフェクトだった。)色名、トーン、記号で表される色だが、国が変われば規格も変わる。それぞれの国の文化が持つ色のイメージは、全く異なる。宗教、政治、娯楽、印象、歴史、喜び、悲しみ、怒り、癒し。

 

 

青い空やどこまでも続く白い入道雲、小さな火花を散らしながら燃える線香花火、とうもろこしの黄色や西瓜の赤、激しい雨にうたれた地面の灰色、うっすらした肌色に近い桃のピンク、蝉が脱皮して飛び立つ前の鮮やかな黄緑色、小麦色の肌。日本の夏は、みんなの目にどう映るのだろうか。色とりどりの夏が、今年もやってきますよう。

 

写真(上)は、青梅の蜜煮
梅を洗いへたをとる。針打ちをし、銅鍋に梅と梅がひたるくらいの水を入れ、沸騰させないように80〜85度くらいの温度を保ちながら茹でる。一度色が茶色になるが、またしばらくたつと綺麗な緑色に。(銅鍋で煮た事による化学変化のため)火を止め梅を別の容器にうつし、ちょうどよい酸味になるまで水にさらす。盆ザルにあけ、あらかじめ用意しておいた水、白砂糖、塩でつくったシロップに入れ、火にかけ沸騰寸前で火を止めて冷ます。

●色名、鶯色(うぐいすいろ…鶯の羽毛からきた黄みの緑)。配色のトーンでいうと、ダルトーン(dull yellowish green…くすんだ黄緑)。記号でいうと、DL 5GY 5.5/6.0。

 
 

image069

「今年もやります デルベアのかき氷」

自然素材、無添加にこだわった一日20個限定生産の手づくりバウムクーヘン専門店の「デルベア」の熊倉さんが、夏の期間限定かき氷の出張販売を。季節の果物をふんだんに使ったシロップは、夢のような美味しさ。今年の夏も山食堂でデルベアのかき氷を販売。
8月14日(金)12時〜18時頃迄

8月15日(土)12時〜18時頃迄

8月16日(日)12時〜18時頃迄

 

●自然素材のバウムクーヘン デルベア
http://www.derbar.jp/
※手づくりバウムクーヘンのご注文はHPよりお申し込み下さい。

 
 
 

矢沢路恵
都内数カ所の飲食店でサービスの仕事に従事した後、2014年より料理人であるパートナーの山谷知生とともに、山食堂を前店主より受け継ぐ。飲食店は生産者と消費者をつなぐ役割という考えで、全国各地に生産者をめぐる旅をしながら、日本の地域に伝わる特産を探索する。

 

山食堂

山食堂

完全に家庭料理の店(海のものもございます。)
〒135-0022
東京都江東区三好2-11-6桜ビル1A
電話・FAX 03-6240-3953

都営大江戸線・半蔵門線 清澄白河駅下車 徒歩3分程 深川江戸資料館近く
昼=12時〜14時 夜=17時半〜21時 ※不定休
https://www.facebook.com/pages/山食堂/398470866947958