NIWA MAGAZINE

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食と人 vol.38 文/矢沢路恵

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誰かの心の中に、そっと寄り添っている存在であることが嬉しい。

大きな事は出来なくても、人の隣りに寄り添えているだけで、それだけでいい。

 

石巻から山食堂へ戻ったら、すっかり浦島太郎状態になっていた。この街にたった一ヶ月の間いなかっただけで、ここにいたのが大昔のことのように思えた。それでも、お帰りなさい、待ってたよ、と街の人々が駆け寄って来てくれたときは胸が熱くなった。私達はどこにいても、この街の人々に支えられている。

 

帰って来た途端、街の仲間達の間では今後開催されるイベントの話しで盛り上がっていた。昨年、地域で開催した街のトークイベント「コウトーク」以来、この夏に三年に一度8月に開催される水かけ祭り以来、話題はそのことで持ち切り。その場にいなかっただけで、全く見えないあぶり出しの絵のように、白紙の画用紙をながめているだけだった。街、人、事。どんな場合でも、つまりは人が関わっている。人によってつくられるモノ。街も、事も。その人に会いに行く、街のイベント。それが、なぞなぞやクイズのようでもあり、推理しながらの、手探り状態での参加となった。

 

ただ、石巻から戻った私達にとって、あらためて街のことを考える大事なきっかけとなり、山食堂のことを振り返った。創業者である桶田千夏子より、引退と同時に山食堂を受け継いだ。一生この店を大切に守っていくと心に誓ったのが2013年、11月のことだった。もう4年も前のことか。お金も無く、実績もなく、生まれ育ってもいないこの街で、受け継いだ当初は手探り状態ではじめた。とにかくお金が無かったので、死ぬほど働いた。

 

山食堂で働きつつも、自分達の興味のあるところへ向かっていった。行く先々で、多くの人と出会った。その出会いこそが財産となっていき、私自身を形成していった。見たものや聞いたもの全てを、誰かに伝えたくてたまらなかった。そして、どの土地にでも地域と人が関わっていることを知った。結局は、地域と人なのだ。人とふれ、地域とふれあう。人が無くて、地域が無かったら一体なんなのだろう。人のあとに道が出来る。人が集まって地域が出来る。大切にしてきたことは、そのことだ。

 

共存、という言葉が何度も頭を過った。その土地、人と共存せずして、何が残るのだろう。一過性に過ぎない誰かや何かの為ではなく、この地域の為に何が出来るか。何を残せるのか。その土地の文化を、料理を通して伝えること。山食堂とは何かと自分自身に問いかける。

 

 

○写真は、じゃこの玄米おにぎり

器をつくる、料理をつくる。受け取る相手の事を考えながらその想いを込めるのは、手紙のようだといつも思う。平林さんの器にやさしくおさまるおにぎりは、受け取った人をもやさしい気持ちにさせる。色とりどりの料理も時には大事。しかし原点に戻ると、誰かをしあわせにしたいという想いは同じ。その想いを器に盛って、相手に贈る。

 

器/平林昇

写真/岩澤修平

 

【深川ヒトトナリ】11/11(土)12(日)

森下・清澄白河・門前仲町界隈に店を構える計62店舗が参加する深川ヒトトナリ。

行ったことのないお店のスタッフや入ったことのない工場の職人さんそんなご近所さんたちの「人と業(ヒトトナリ)」を知ることで、街に親しみを感じて「人隣(ヒトトナリ)」となる新しいまち歩きイベント。11月11(土)12日(日)の2日間、専門店でのワークショップや工場見学、カフェや飲食店でのイベントが目白押しです。この2日間、山食堂も参加店舗として季節料理と器の会を開催致します。

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11月11日(土)・12日(日)

●12:00〜平林昇展【器とりんごの販売】

平林昇さんの器の展示販売と、平林さんの林檎農園より届いた旬のりんごを販売。

●17:30〜21:30【季節料理と器の会 】10,000円(税込)

*17:30〜21:00の間でお好きな時間にご予約くださいませ。tel/03-6240-3953

*キャンセルの場合、2日前まで承ります。

*席の都合上、相席の場合もございます。

*平林昇さんの器に季節料理を盛ってご提供するコース仕立ての会となります。

*料理+飲み物+デザート10,000円(税込)

+平林さんの器+りんごをお持ち帰りいただけます。

矢沢路恵
都内数カ所の飲食店でサービスの仕事に従事した後、2014年より料理人であるパートナーの山谷知生とともに、山食堂を前店主より受け継ぐ。飲食店は生産者と消費者をつなぐ役割という考えで、全国各地に生産者をめぐる旅をしながら、日本の地域に伝わる特産を探索する。

 

 

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山食堂  完全に家庭料理の店(海のものもございます。)

〒135-0022 東京都江東区三好2-11-6桜ビル1A    電話・FAX 03-6240-3953

1A SAKURA Bldg,2-11-6 MIYOSHI,KOTO,Tokyo,Japan 135-0022

Phone Number:#81 3-6240-3953

都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線 清澄白河駅下車 徒歩3分程
深川江戸資料館通り沿い・深川江戸資料館斜め向かい側交差点より五軒目

平日・夜=17時半〜21時半(ご予約優先)
土日祝・昼=12時〜売り切れ迄 夜=17時半〜21時半(夜はご予約優先) ※不定休

Open Weekdays  Dinner 5:30pm to 9:00pm *Prioritygiven to reservation
Open Weekend&Holidays  Lunch 12:00pm to Sold out Dinner 5:30pm to 9:00pm
*No fixed holidays

https://www.facebook.com/pages/山食堂/398470866947958v