NIWA MAGAZINE

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京都と闇

narakyoto2013 110

 

月を眺めに行った京都。月は確かに美しかった。神社や寺から眺める月、裏の路地から眺める月。何度も何度も、歩いては振り向いて、を繰り返していた。夜空がこれだけきれいに、そして、情緒のある景色をみることのできる街は、そうはない。その秘密は、きっと、「闇」にあるのだ。

 

宿は東山の一角にある、こじんまりとした程良い場所。女将さんは、はんなりというよりも、きっと座ることもほとんどないだろうという、ちゃきちゃきした人だった。宿をとるとき、門限があるなんて知らなかったのだが、開口一番言われたのが、「22時には戻るように」ということ。東京であれば、まだ仕事をしている時刻かもしれないし、電車の中だって人で溢れている時間だ。

「この辺はね、21時になったら、真っ暗だから。」という言葉を聞いて、ふうんと思っていたのだが、20時を境に景色が変わった。「闇」が強いのだ。目に見える世界と見えない世界。夜には夜の、世界がある。そして、その見えない「何か」との距離をきちんと取る、大人のルール。「闇」に引き込まれ過ぎてはいけないのだ。

私は、女将さんのいうことに心から納得して、京都のルールを守って早寝をした。

2013年10月8日