NIWA MAGAZINE

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京都と白い月。

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暮れの京都。空気感を感じたくて、歩いてばかりの旅だった。中心地からちょっと離れ、洛北に行くと、空の景色も風も、全然違うことが分かる。森から流れる、澄み切った水。空には白い丸い月がぼんやりと浮かんでいた。きっと、この場所だからこそ、見えてくる情景なのだと思う。月は私になにか言いたげだ。でも、その意味することは、すぐには分からない。きっといつもの通り、ちょっと時間がたったときに、色々と腑に落ちる瞬間がくるのだ。月がもたらす予感。

 

 

とある方に勧められた、蓮華寺の庭。そこは、まるで天国のような美しさを放つ空間で、ときが経つのも忘れてしまうほど、いつまでも眺めていられるのだった。ようやく蓮華寺を後にして、ゆっくりと歩いているうちに、森の入り口と思われる場所にたどり着く。入り口は、一般の人が入ることを禁じられていたので、きっと地元の方々がとても大事に守られているのだと思う。その脇には、細い小径があって、やさしい木漏れ日が降り注ぐ。てくてくと歩いてみる。森の入り口を横目で見ながら。

その小径は、あるお寺に続いていて、ご住職さんに断って入れて頂いた。眺めのよいこちらへどうぞ、とにこやかに勧められるがまま、階段を上がり、空を眺める。心地の良い風が吹く。この日は、春のような温かさで遠く見える山々の景色を目にしながら、ここで見上げる月と夜空はどんなにかきれいなのだろうと想像してやまない。

来た道を戻り、駅に向いながら、私の心は自然とぽかぽかしたような温かさに包まれていた。

 

 

 

2014年1月7日